2011年3月アーカイブ

東日本大震災の甚大な被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げます。

被災地でも作れる〈緊急トイレ〉の作り方を案内します。
家屋すべてが津波に巻き込まれてしまった大震災で緊急トイレの材料が揃うか、心配ですが、被災者の方がたの長引く避難生活の一助となればと願います。

阪神淡路大震災の教訓
阪神淡路大震災のときには、水の流れなくなった水洗トイレの大量のウンチが溜まってしまい、バケツの水(少量)で流し続けた結果、「つまる」「あふれる」の問題が頻発し、避難生活がさらに苛酷なものになったと報告されています。

kinkyuu_02.jpg
オシッコとウンチを分ける〈緊急トイレ〉
ウンチは、断水のトイレに少量の水で流さないで堆肥にする方法が有効です。
オシッコだけを、下水(マンホール)に流す、または復旧後の水洗トイレに流してください。


オシッコとウンチを分ける理由
・分けると悪臭がかなり軽減されます。
・分けると処理が簡単になり、被災地のゴミを大幅に減量します。
・各家庭で簡単につくって利用することができます。


用意するもの
◎座面が外せる木製椅子(木箱なで代用してもよい)
◎カップラーメンなどの容器、できるだけ大きいもの(オシッコを受けるための〈分別ボウル〉となる)
◎土のう袋、なければ古新聞。また、枯れ葉など。
◎便座(段ボール紙で代用してもよい:最下図)
◎ガムテープ または固定用ビスとドライバーなど

kinkyu03.jpg
つくり方
①椅子の座面をはずす。座面は椅子のウラにビス止めされているのでドライバーが必要かもしれない。
②カップラーメンなどの容器に穴をあけて〈分別ボウル〉をつくる。
③〈分別ボウル〉を座面の前のほうに固定する。
④〈分別ボウル〉の下にポリタンクまたはゴミ箱を置く。ここにオシッコをためる。
⑤バケツを用意し、オシッコを受ける〈分別ボウル〉の後におく。
⑥バケツに土のう袋、古新聞または枯れ葉など、を入れてウンチを受けるようにする。
⑦家庭の水洗トイレの便座をはずしてのせる。便座は簡単にとりはずすことができます。便座シートがない場合は段ボールなどを形成してつくる(最下図)。


kinkyuu_04.jpg
おしっことウンチの処理方法
オシッコは・・・
 ①ちかくの下水(マンホール)に流してください。
 ②ご自身の畑があれば、畑の土に撒いて肥料にする。
 ③またはポリタンクなどの容器に保管、フタをする。水洗トイレ復旧後にトイレに流す。
 オシッコを長期保管する場合は・・・
 分量に対して1%ほどの食酢、1%ほどの水をまえもってタンクにいれておく。
 臭気の発生を長期間抑制する効果があります。ただし保管にはかならずフタをしてください。
 例: おしっこ1リットル(およそ一人1日ぶん)につき、食酢10cc、水10cc

ウンチは・・・
 ①土のう袋のヒモをしめて雨でぬれないようにして、およそ1ヶ月保管して土に還してください。
  ウンチは10リットルのバケツで15〜20回利用できます。
  気温が15度以上になるとハエが発生して侵入します。トイレをつかわないときはバケツに段ボール紙などでフタをしてください。
 ②古新聞につつんで保管する場合は、大きいゴミ箱に密閉せず通気を保って、保管してください。できるだけ乾燥させてください。
 ③堆肥として最終処理するには、20センチほどの穴を掘って土に埋めてください。
 ④どうしても土に還せない場合は、ビニール袋に入れて燃えるゴミとして処理する。


carboard.jpg


      

月別アーカイブ