洞爺湖町Mさま:コンポストトイレ レポート(その3)コンポストシュアー

北海道洞爺湖にて<エクセル>を使用いただいているMさんよりいただいた貴重なレポートを紹介しています。
こちらは(その3)コンポストシュアー(ピートモス)です。

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【ピートモスについて】

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*発酵分解トラブルへの対応
 数年間、忠実に、示された改善策や予防の実施、さらに、入手できる材質での発酵分解への取組みを行いましたが、取組みに際して感じたのは、「ドラム方式」が多々優れている点がある事です。
 その1つが、ドラム内で問題が発生し改善が出来なかった場合でも簡単に内容物の取り出しができ、新たなコンポストシュアーの投入でやり直しができる事です。(これは最終的な解決策ではありませんが。)
  コンポストトイレを設置された方は同じようなトラブルを体験したことがあると思いますが、私も使用の手引書の表1〜表3に出ているようなトラブルを経験しました。


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*色々なコンポストシュアーの材質を試した結果、洗浄便座の使用に関わらず、発酵分解に優れている物を紹介します。

札幌近郊のホームセンターでは、A級・B級・C級の3種のピートモスが販売されており、長繊維質のC級が発酵分解に優れています。

粗い繊維質の為、空気層が確保され酸素の供給に優れています。
その分、繊維質が粗い事から「保水性能は」劣ります。
そして、
劣っている保水性能を補う為の材質「ミズゴケ」については次項で説明します。

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ドラムのスクリーン目詰まりが、トイレ設置初期からよく発生したトラブルでした。
色々な材質を試した結果、最終的に長繊維質のピートモスで、これをよく水洗い「泥炭・屑」を除去、これをネット等に入れ、乾燥後、更によく振って「チリ等」を取り除きます。

繊維質だけとなったピートモスと保水性維持のミズゴケ(後述)を二割ほど加えたものがコンポストシュアー材となります。
使用の際は、EM菌を加える事により、発酵分解が促進されトラブルの発生は皆無となりました。
現在は、シュアー材を一年間入替えしませんが、コンポストトイレとしての機能低下・トラブル発生は見られなくなりました。

【ミズゴケについて】

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*「ピートモス」も「水ゴケ」の一種ですが、ピートモス・水ゴケ それぞれ商品名のままで説明します。(実際、資質的にはかなり違います。)

園芸材として<水ゴケ>の保水能力が高いのは理解していました。
水洗いして長繊維質だけとなったピートモスの保水に関る調整材として、ちょうど良い材質です。

*<水ゴケ>の保水力テスト

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① 50g、4リットルのミズゴケに1000ccの水を浸み込ませる。

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② バイオドラムのスクリーンに見立てた器に入れる。

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③ ぽたぽたと滴る排水も1時間程で停止する。

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④ 排出された水量が 200cc なので、50g 4リットルのミズゴケの場合、800cc の保水能力がある。


【EM菌発酵促進剤】

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トイレ使用後には<EM菌をふりかけています。夏の高温季にはドラム内で泡立ちが確認でき、発酵分解がかなり早く進むのが見られます。

発酵分解が促進されるようになってから、ハエ(通常の家バエ)の発生がなくなりました。

ただ、コバエの対処方法が見つかりません。現在各種販売されている物では、期待した効果が得られません。
コバエ対策は、これからも長い戦いになりそうです。

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1割程、小動物用床材を入れて保湿・吸臭・吸湿・通気性を図る取組みも行っていますが、使っても使わなくても、効果に大きな差は見られません。

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2013年11月27日 北海道新聞
冬でも堆肥が作れる発酵素材<392>が開発されたと出ていました。

氷点下10度以下でも、30〜50度の発酵熱を放出するとのこと。
凍結季のコンポストトイレの使用期間が広がるかもしれません。
EM菌と違い、ホームセンターで簡単に手に入りませんので、今後が楽しみです。


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詳しい報告・提案をいただきありがとうございました。
こちらはあくまで一例ということですが、とても参考になります。
他のユーザーさまにおかれましては、お問い合わせくださいましたら、出来るかぎり情報提供・アドヴァイスさせていただきます。

*Mさまの写真は、<ユーザー様 導入例>のページにも掲載させていただきました。
      

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