雑排水処理・利用の最近のブログ記事

農倉庫で使用している《GreenLy お庭のエコトイレ》です。
(フタがはずれたまま。交換しなくては・・・。)

ドレインは、あじさいの花壇のほうへ。

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(紹介のためのリンクです。)

芙蓉パーライト株式会社 http://www.fuyo-p.co.jp/index.shtml
簡易尿処理システム モンライト http://www.fuyo-p.co.jp/p5.html


毛管浄化システム株式会社 http://www.mokan.co.jp/

生活排水やコンポストトイレからの余剰水分を、処理する方法として、

《有気性ガーデンベッド》を紹介します。



孔のあいたパイプ(有孔管)を使って、地下浸透(環境汚染)することなく、土中の微生物の働き、および太陽熱、草木の水を吸い上げる力などによって処理する設備です。


下には防水シート、そして豆粒大の小石・砂利・砂などを敷き詰めます。

下の概念図では、排水・尿液が左から流入します。右側に通気孔があって酸素を取り込む仕組みです。


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イラスト出典: Liquid Gold: The Lore and Logic of Using Urine to Grow Plants


   *     *     *


あくまで参考例ですが、上記のコンセプトを実用化するためのプランをイラストにしてあります。


【横から見た図】

gardenbed_yoko.jpg

【前から見た図】
gardenbed_mae.jpg

(図をクリックすると大きい画像が表示されます。)

上記はあくまで参考例です。気候・地質・行政指導・使用頻度・水分量などの 諸条件、および水分処理の目的、予定使用年数、などによって大きく異なるで しょう。

・《ガーデンベッド》は陽当たりの良い場所につくってください。
・《ガーデンベッド》の長さは、水分処理の量に応じて、5~10 メートルを目安 とします。 
・最も下には防水シートなどを敷きます。地下浸透しないように します。
・使用する頻度・人数が多い場合は、ガーデンベッドを長くします。その場合は、土地の状況に応じて、「コの字型」や「弓の字型」も検討するとよいでし ょう。
・直径100ミリの「有孔管」を使用し、まわりを砂利で囲う。孔を自分であける場合は、径5ミリほど。ナイロン生地や網を巻いて、砂が入らないようにすると良い。
・空気をとりこみ微生物を活性化させるため、パイプの反対側は地表にでるようにします。(雨が入らないように工夫する。)
・有孔管のまわりには砂利。大きめのものにして目づまりしないようにする。空気がとおるようにする。
・砂利の上には、草木が育つようにするため、土をいれます。
・地表には、グランドカバー(芝生などの草木)を播種します。根をはり、水分を吸い上げます。
・地表部分は、土を盛り上げておきます。雨が流れ込まずに横に流れるようにするためです。
・生活排水を処理するためには、一人あたり10mを目安にしてはいかがでしょうか。
・水の最終的な出口について、水路へゆくのか、畑などにゆくのか、決定すること。
・経年により詰まりが発生した場合は、水が溜まるので、掘り起こして目詰まりをなくす。
以前より紹介している排水処理システム「花水土(はなみづち)」を、私どものところでも2基を購入しました。
ベランダで原水(ひとまずは小水を)を流して試験しようと思います。

(下記一番下の写真は、生活排水用としての使用例です。)

1基・・・・5,500円
1人で使用なら2〜3基、2~3人家族なら4〜5基 でどうでしょうか。
積み重ねもできます。
送料は3,000円から5,000円

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IMGP3293花水土使用例.jpg

花水土の容器のお問い合わせや注文は、下記まで。
高松市(株)安戸組 ご担当: 橋詰樣 TEL 090-5713-1452

土の配合は: 
鹿沼土大粒 18リットル 700円くらい・・・10L袋や18L袋で売られています。 
軽石大粒 18リットル 700円くらい・・・価格は目安です。 
畑の土 5~10リットル 

ご参考になりましたら幸いです。 
追ってレポートしたいと思います。 

(注記) 花水土は本来、トイレではなく雑排水処理のための装置です。下水のないところで水路に流せるようにします。 
また、尿は水路に流してはいけません。畑でリサイクルするのが理想的です。 

参考: 
コンポストトイレをお使いになるとき、余剰水分がある場合はどのように処理したらよいでしょうか。

コンポストトイレ「エクセル」「コンパクト」などの電気を使うモデルの場合は、内蔵のヒーターの働きで水分を蒸発させます。利用人数や周辺温度の条件がととのっていれば、分解熱も手伝って、水分はほとんど蒸発させることができます。

しかし、電気を使わないタイプ「エクセルNE」等の場合、また電気モデルでも利用人数が多い場合など、余剰水分が発生します。
※NEは、ノン・エレクトリック(電気を使わない)の略です。




尿の活用例201202.jpgこの水分を一時的にポリタンクなどで受けてから、肥料(液肥)として使用します。

水分は重たくなるので、100Lなどの大きなポリタンクを畑に据え置いて、そこに排水ホース(または塩ビパイプ)を延長するのも良いでしょう。

usui_kishaku.jpg畑にまくために、消毒してから希釈して下さい。
石灰窒素を約2〜3%加えて有害菌を減菌し、一昼夜おいてから、水を加えて5〜10倍に希釈すると肥料として使えます。
(希釈をするのは、植物の害になる塩分濃度を薄めるためです。)
希釈には、雨水を利用すると便利・節約的です。

hatake_ni_maku.jpgその他には、 「コンポストパイル」という方法もあります。

肥料として畑にまく、というのは良いリサイクルなのですが、実際には、頻繁に水を撒くのは骨がおれることとなります。季節によって撒く必要がない場合もあります。

これは、次の写真のように、母材(写真の例は籾殻です)にコンポストトイレからの余剰水分をしみこませる方法です。

前述のように石灰窒素で滅菌してから一昼夜おいてから行って下さい。畑でおこなうと雨・夜露などで自然に希釈され、周りの植物が養分を吸収します。
ここ数年間の実践では、塩害を発生している様子はありません。


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ジョウロを使ってパイルに撒いています。籾殻は材料としてお勧めできます。夏でもコバエが全く近づきません。

次の写真は、籾殻ではなく、枯れ葉や朽ち木を使ったものです。カゴは(底が)穴があいているものを使用します。

compostpile_kago.jpg冬の果樹園にて。竹のチップを使用した例。

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お風呂/シャワーや台所の排水、いわゆる生活雑排水について、環境にやさしくて安価な処理方法をさがしています、というお問い合わせを多く頂きます。
「庭仕事ひろば」では、コンポストトイレの情報とあわせて、雑排水処理についても、いままでの調査や経験などをできるかぎりお伝えして行きたいと考えています。

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 私ども、以前はダイワ化成さんの雑排水処理槽「クリーンガード」を兵庫県福崎町のほうで使用していました。雑排水処理に関する問合せをいただいた際にはお勧めしていたのですが、残念ながらすでに製造終了となってしまったとのことです。
 そこであたらしく、フジクリーン工業(株)、前澤化成工業(株)の製品を紹介いただきました。生活排水の処理技術開発に特化していると伺いました。少人数型の浄化槽も開発・販売されています。

CF-II型(5/7/10人槽)
fujiclean_cf2.gif

浄化槽カタログダウンロードはこちら

詳細・問合せは下記のホームページでどうぞ
フジクリーン工業株式会社
お風呂/シャワーや台所からの排水、いわゆる生活雑排水について、環境にやさしくて安価な処理方法はどのようなものがあるでしょうか。

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〈花水土(はなみづち)〉は、「四電技術コンサルタント」生地さんによる「傾斜土槽法」のことで、高低差をつけた土壌のなかで微生物の働きで浄化させるものです。

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傾斜土槽法「花水土」

標準型の台所排水であればコンパクト(傾斜土槽5段積み)で金額も約10万円から、メンテナンスも簡単、とのことです。ぜひ問い合わせてみてください。
http://www.yonden.co.jp/corporate/yonden/group/houjin/page_07.html
お風呂/シャワーや台所の排水、いわゆる生活雑排水について、環境にやさしくて安価な処理方法はないだろうか、というお問い合わせを多く頂きます。
庭仕事ひろば」では、コンポストトイレの情報とあわせて、雑排水処理についても、いままでの調査や経験などをできるかぎりお伝えして行きたいと考えています。

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まずは、(有)山和樹脂加工所さんの取り組みによる、下記の方式をご紹介します。パンフレットをPDFにしたものもアップしますので、どうぞご参考になさってください。

●ニイミ式浄化法(PDF資料).....新見正氏が開発した「土壌浄化法」は、汚水を土壌に浸潤させることにより、地表1メートルくらいの土壌に生息している土壌動物や土壌微生物、植物の根などを利用して排水を浄化させる原理です。

●スパスムシステム(PDF資料).....上記の新見式を実用化したものがスパスムシステムです。

niimi.gif

特定非営利活動法人日本土壌浄化法ネットワークさま
http://www7b.biglobe.ne.jp/~npo-dojo/01/network.html

毛管浄化システム株式会社さま
http://www.mokan.co.jp/
[シリーズ:女性の視点からのトイレ]
48 尿分別式コンポストトイレ〈節水と、トイレ・生ごみの資源循環〉
日本工業出版社「建築設備と配管工事」2011/9月号巻末に、上記タイトルのレポートが掲載されました。「GreenLyコンポストトイレ」開発の経緯などを書いております。ぜひご一読ください。


1、 はじめに

1-1 水の話(1)竜田川のモミジ
阪神大震災の前年まで、私が住んでいた奈良県生駒 郡でのこと。高台の新興住宅から流れ出た排水が、古 今集に詠まれた竜田川のもみじを枯らしてしまった。 お風呂などの温かい排水が、毎日、マンホールの隙間 から湯気を上げて流れ下り集中浄化槽へ、そしてまも なく川へと排水された。枯れはじめたモミジは、川岸 の道を走り回る自動車の邪魔と、容赦なく切り倒され た。

1-2 水の話(2)カナダの食器洗い
20 年以上前、2ヶ月余りカナダを旅したときの出来事。バンクバーからロッキー山脈を越えエドモント ンに着いたのは 4 月はじめ、翌日-20°Cの中、ホーム ステイ先を外出し、道に迷い、ホストファミリーに迷 惑を掛けたことを思い出す。ところでそのご夫婦の故 郷は、数ヶ月間、川も湖も凍ってしまう厳冬の地マニ トバ(カナダの内陸部)、それ故か水を大切にした暮 らしぶりに驚かされた。油で汚れた鍋やお皿洗いは、 ボウルに溜めた水に数滴の洗剤を落とし、スポンジで ごしごし、あとは布巾でふき取るだけ。当時カナダの 多くの家庭では溜め水で食器を洗うのは常識で、リン スをすることもあった。「Alas! すすがないの」、「故 郷の 90 歳になるおばあさんもこのやり方でずっと健 康よ、『 In Rome, do as the Romans do.』」と。 私たちも見習う時がきていると思う。

1-3 トイレットペーパーと節水
エドモントンのお宅は、2 人暮らしでトイレが 3 箇所。 便器の横には蓋なしの大きい籠が置かれ、「ト イレットペーパーは下水に流さないでね」と指示され た。「なるほど」と感心したが、実際これを実行する のはずいぶん後になってからのこと。
この 4 月に 87 歳で他界した義母は、昔から何十年も、水洗トイレはいつも節水、トイレットペーパーは 流さなかった。台所では洗剤はほとんど使わず、流し の近くにバケツを置いて、お米のとぎ汁・お茶碗の洗 い水を溜めて、こまめに庭の野菜や花に水遣りを怠ら なかった。季節ごとに数種の野菜を育てていたが、肥 料を買った話は一度も聞いたことがなかった。

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女性は、トイレのたびにトイレットペーパーを使う。 トイレットペーパーを流さなければ、排水は 1 回 500ml 以下で十分、かなりの節水ができる。ところ で、1 日のトイレは 7~10 回、小で 1 回 40cm を目 安に、トイレットペーパーはシングル巻きで4mが必 要。使ったトイレットペーパーを屑籠に溜めてみると その嵩に驚く。皆さんは 1 回の使用量はどれくらい。 日本の人口 1 億 2000 万人の半分以上の女性がこれ を実行すれば、ものすごい嵩のトイレットペーパーを 流さず、遠くの下水処理場に流れ着いて汚泥となるこ ともなく、膨大な汚泥処理費用が削減できるのではと 思う。トイレットペーパーの使い方は、特に、女の子 の幼児期の教育に期待したい。知人に機会ある毎に話 をするが、大抵は「何で?」と、呆れ顔をされる。

2、初めてのコンポストトイレ体験
1999 年岡山県の田舎暮らしで、電気ヒーター装備のカナダ製小型コンポストトイレ 1 人用を使い始めた。 尿と大便は分別せずドラムの処理槽に入り、定期的な チップの追加と攪拌を行う。サーモヒーターと換気フ ァンを使って水分(尿)をコンポストトイレの外に蒸 発させる。微生物とエサ(排泄物)、周辺温度と水分 率のバランスが適切なら臭気は発生しない。ヒーター 温度 40°C~60°C/消費電気最大 150W。堆肥は、1 ~3 ヶ月毎におよそ10Lを受け皿(引き出し)に取 り出す。受け皿にそのまま 1 ヶ月保管して、堆肥とし て利用する。1 年後には、同社の電気なしモデル(ソ ーラーパネル用の 12V 換気ファン装備)も併用した。

3、コンポストトイレ欧米の事情
コンポストトイレの歴史は、100 年以上前に多くの「earth closet」が生産され、イギリスのビクトリア 女王も使ったと伝えられる。1930 年代にスエーデン で Clivus Multrum、1960 年代には Twin-chamber system がアジア・中央アメリカ・メキシコに導入さ れた。1970 年代には、北欧や北アメリカでは多くの コンポストトイレが生産されるようになった。
北アメリカでは 1960 代年~70年代に、産業の発 展に伴って大気汚染・河川の汚れなど環境悪化が深刻 になる一方、下水道の整備は進むものの莫大な費用が 問題となっていた。その下水の汚染源の 80%以上が 「尿」に起因するといわれ、汚水の発生源での処理の 必要と共に、コンポストトイレにも注目が集まった。

4、多種多様なコンポストトイレ 世界のコンポストトイレには、小型の家庭用から公 共施設などに設置される大掛かりな設備まで多くの種 類があり、それぞれに創意工夫がある。
David Del Porto 氏は、その著書「The Composting Toilet System Book」に以下のように 分類している。
(1)「self-contained(便器と処理槽が一体)」と「Centralized(便器はトイレ室・処理槽は床下)」
(2)「Batch(複数の貯蔵容器)」と「Continuous(単独の処理槽)」
(3)「Active(ヒーター・攪拌操作を行う」と「Passive(機械的な操作をしない)」
(4)生産品 と 個人製作
氏は「Batch」を支持するも、デメリットについて は、容器に排泄物を溜めて、いつ満タンになるのかを監視し、一杯になると、新しい容器と取替える作業に 骨が折れると報告する。氏は、「Batch」式に分類さ れる「Carousel」が、スカンジナビアでもっとも多く 設置されていると書き、「Carousel」は床下に、4 層 に区切られたスペースに順番に排泄物を溜めていくの だが、一杯になったスペースと空のスペースとのバラ ンスが悪くなり、スペースの移動・回転が困難である と報告している。多種多様なコンポストトイレには一 長一短がある。
そして、私が更なる改良を目指して、新しいコンポ ストトイレに挑戦したのは 2004 年であった。

5、コンポストトイレ開発の課題
コンポストトイレを必要とする人は、
(1)公共下水がない
(2)合併浄化槽費用が高く付く
(3)排泄物を安全な資源として利用したい
(4)野外活動の拠点で利用したい、また防災用として利用したい
などの事情がある。
下水がないところとは、都会から遠く離れた田舎、 山間、離島、山岳地帯等など、多くは寒冷地でもあり、 コンポストトイレ設置条件が揃わないところもある。
コンポストトイレを、臭気を出さす上手に使うには、 排泄物を分解してくれる好気性微生物の活動を活発に する環境因子(周辺温度・水分率・酸素供給)を整え、 最低限の維持管理を怠らないことが大切である。 その好気性微生物の適温は、周辺温度が 15°C以上で、 温度が高ければ高いほど排泄物の分解速度が早くな る。皮肉なことに、コンポストトイレの必要なところ では、その温度条件がより厳しい。好気性菌は、
(1)好冷性(6°C~20°C)
(2)中温性(21°C~45°C)
(3)高熱性 46°C~71°C、さらに超高熱性
と区分されているが、残念なことに通常 15°C以下で は多くが休眠又は死滅するとされている。
コンポストの保温や攪拌動力に風力・ソーラーパネ ルによる自然エネルギーを試みるものもあるが、設置 費用が高く天候に左右されやすい。

6、安全な堆肥の利用(大腸菌の処理)
コンポストトイレを使って、排泄物を安全な資源と して利用するには、大便の糞便性大腸菌駆除が必要で ある。そのためには、未熟成なままでは直接手で触れ ないこと(ゴム手袋の着用)、すぐ収穫する生野菜には施肥しないことが必要である。家庭で使うコンポス トトイレから取出した堆肥を、自分の田畑や花壇で利 用するとき、そこに重大な危険があるとは思えないが、 取扱には注意が必要である。
H15 年 7 月当時、岡山県で使っていたコンポスト トイレから取出した堆肥で、大腸菌駆除を試みた。
(1)取出したコンポスト(堆肥)を土嚢袋に 1 ヶ月以上保管した。(駆除期間は、周辺温度・堆肥の水 分率に左右されるが、保管期間は長ければ長いほ ど安全性が高くなる)
(2)取出したコンポストをビニール袋に入れ、炎天下 に約 15 分間放置し 55°Cを確認、さらにビニール 袋のコンポストを上下・裏表に返し、内部の温度 が 50°C~55°Cに達するのを確認した。
更に、堆肥の安全性に疑問がある場合は、石灰や草 木灰を混ぜて、殺菌する方法がある。岡山での実験結 果は、いずれも糞便性の大腸菌は検出されなかった。 (検査機関:共同組合岡山県環境整備協会 建築物飲料 水水質検査登録機関)

7、「トイレは分別式に」
コンポストトイレで排泄物を資源化するとき、尿と大便を分けて利用する方法がある。「分ける」か「分 けない」によって、よく知られるコンポストトイレ(バ イオトイレ)を例に、表 1 にまとめた。

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家庭用コンポストトイレで尿と大便を分けると、その利点は、
(1)は植物の肥料としてすぐ活用できる。
(2)大便などの構成物(コンポスト)の水分率が保 たれ管理が簡単、コンポストに尿の塩分が蓄積しない。
尿は腎臓で生産される弱酸性・通常無菌、成人 1 日 平均 1.5L、90%以上が水分で植物の肥料となる養分 (窒素・りん・カリ)を含む。個人差はあるものの、 窒素は、年間3kg~5kg も活用できる。Ecological = Economical を目指すトイレは「尿分別式」コンポス トトイレであろうと思う。「分ける」必要があると考 えた。

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8、 GreenLyの誕生
2004 年、開発に着手したコンポストトイレは、 2010 年に製品化した。商標は「GreenLy」とした。

8-1 「GreenLy の特長」
(1)1 尿は植物の肥料として、すぐに活用できる。 →オシッコ→肥料→作物→食物→
(2)ヒーターはつかわず省エネをめざす。電気のないところでの稼動を可能とする。
(3)攪拌は手動。大便などの構成物(コンポスト) 30L~50Lを手動攪拌するために特殊な形態 の攪拌体が必要であった。先行技術とにらめっこ で開発を進めた。 (4)周辺温度 15°C以下(5°C以上)で、大便等の分解 が進む GreenLy 独自の微生物母材を使用する。
(5)好気性微生物活動に適切な環境を整え、臭気を発生させない。
(6)最後に、大便を微生物分解して安全に活用する。

8-2 5月4日の実験
8人(大半が 30 代の男性)が、一番小さい GreenLy で 18 時間、使用実験をした。最近男性の着座でのト イレにあまり違和感がないとのこと、また尿分別式も 問題なし。年配の男性のためには小便器があったほう がよいかもしれない。

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9、生ごみも発生源でリサイクル
年間、1 人分約 150kg の生ごみを、ごみ収集車が集 めて、焼却する。この労力と処理費用削減のために、 1 人でも多く、生ごみを各家庭で処理し、庭やベラン ダで土に還しリサイクルできるとよいのだが。電気を 使わない生ごみ処理器「くうたくん」は、写真のよう なプラスチックバケツで、微生物と酵素の母材が、残 飯・茶がら・コーヒー糟・尐量の廃油・なべやフライ パンの汚れなど毎日 300gを、水蒸気と炭酸ガスなど に分解する。 嵩はほとんど増えず、母材は数年間継 続して使える。畑のコンポスターは、「くうたくん」 に入らないより大きな野菜くずなどを投入し、ドラム をグルグル回す。6ヶ月~1年に1回、取出して畑の 肥料になる。このドラムコンポスターでは、畑に出没 する害獣(いたち・ハクビシン・アライグマ・いのし しなど)が生ごみを食べ散らかさないのがよい。

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10、終わりに
排泄物を発生源で資源化する試みが、ますます広がる ことに期待し、水なし・電気なしで稼動できる GreenLy のようなコンポストトイレが、地震災害など 非常時のトイレとしても常設され、常から使われて、 万一の被災にも役に立つことを願っている。そのため には、一層の機能向上、改善・改良の積み重ねが必要 であろうと思う。

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参考文献 David Del Port & Carol Steinfeld "Composting Toilet System Book"


今年のいちじく


2008年3月に挿し木した無花果に
今年6月5日、GreenLy「尿のコンポスト」(尿約20L+竹チップなど)を施肥しました。

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その後の成長:驚くほど沢山の葉っぱをつけ、9月上旬には沢山の実をつけました。

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9月13日撮影、まだ小ぶりながら実が熟し、とても甘い無花果が収穫できるようになりました。
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ところが、1週間ほど前からすずめ蜂(おそらく)が熟れた無花果に群がって、収穫にも支障をきたしています。


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