山梨県清里高原の自然のなかで小屋を営んでおられる〈老頭児おじさん〉様の取材記事が、2016年5月7日発売、週末DIY・手作りライフマガジン『ドゥーパ!』に掲載されました。
記事の中で、お使いいただいているコンポストトイレも紹介いただきました。
(老頭児おじさんの小屋 全景)
【足置き台・蒸発室】*足置き台は、大人・子供・男性・女性によって使い分けが出来るよう折りたたみ式になっています。*また、子供等が足置き台に立った場合、安定が確保できるよう広く製作してあります。トイレ前床下には、電気配線や水道配管のため、高さ9cmの空間があります。また、蒸発室清掃時の床面が汚れないようにプラスチックトレーを設置しています。【ドレイン】*ドレイン状況は、常に床下で確認できます。(ポタポタの状態で流れ出る。)ドレインされた水は、外のコンポストまで導き、地下への浸透と落葉等での腐葉土づくりに役立てています。泥炭等のくずを徹底的に洗い流して除去したピートモスを使用するようになってから、ドレインラインの詰まりは見られません。万が一つまった場合には、自転車の空気入れのノズル部分を改良したものを利用し、定期的に外側から空気を入れる方法でドレインラインの清掃で詰まり防止を図っています。【換気パイプ】外側の換気は、内径75mmのパイプを使用しています。不快な臭いとまでは言えませんが、換気筒が低いと臭気が漂うときがあるため、写真の高さに設置しました。不具合はありません。* 結露(水滴)対策低温期間の長い北海道では、結露水が結構でます。塩ビ管 VU継手90度 大曲Y により、トイレ側に逆流しないようにしています。↑ 換気↓ 水滴(左からトイレの換気がながれてきます。)
【ピートモスについて】*発酵分解トラブルへの対応数年間、忠実に、示された改善策や予防の実施、さらに、入手できる材質での発酵分解への取組みを行いましたが、取組みに際して感じたのは、「ドラム方式」が多々優れている点がある事です。その1つが、ドラム内で問題が発生し改善が出来なかった場合でも簡単に内容物の取り出しができ、新たなコンポストシュアーの投入でやり直しができる事です。(これは最終的な解決策ではありませんが。)コンポストトイレを設置された方は同じようなトラブルを体験したことがあると思いますが、私も使用の手引書の表1〜表3に出ているようなトラブルを経験しました。*色々なコンポストシュアーの材質を試した結果、洗浄便座の使用に関わらず、発酵分解に優れている物を紹介します。札幌近郊のホームセンターでは、A級・B級・C級の3種のピートモスが販売されており、長繊維質のC級が発酵分解に優れています。粗い繊維質の為、空気層が確保され酸素の供給に優れています。その分、繊維質が粗い事から「保水性能は」劣ります。そして、劣っている保水性能を補う為の材質「ミズゴケ」については次項で説明します。ドラムのスクリーン目詰まりが、トイレ設置初期からよく発生したトラブルでした。色々な材質を試した結果、最終的に長繊維質のピートモスで、これをよく水洗い「泥炭・屑」を除去、これをネット等に入れ、乾燥後、更によく振って「チリ等」を取り除きます。繊維質だけとなったピートモスと保水性維持のミズゴケ(後述)を二割ほど加えたものがコンポストシュアー材となります。使用の際は、EM菌を加える事により、発酵分解が促進されトラブルの発生は皆無となりました。現在は、シュアー材を一年間入替えしませんが、コンポストトイレとしての機能低下・トラブル発生は見られなくなりました。【ミズゴケについて】*「ピートモス」も「水ゴケ」の一種ですが、ピートモス・水ゴケ それぞれ商品名のままで説明します。(実際、資質的にはかなり違います。)園芸材として<水ゴケ>の保水能力が高いのは理解していました。水洗いして長繊維質だけとなったピートモスの保水に関る調整材として、ちょうど良い材質です。*<水ゴケ>の保水力テスト① 50g、4リットルのミズゴケに1000ccの水を浸み込ませる。② バイオドラムのスクリーンに見立てた器に入れる。③ ぽたぽたと滴る排水も1時間程で停止する。④ 排出された水量が 200cc なので、50g 4リットルのミズゴケの場合、800cc の保水能力がある。【EM菌発酵促進剤】トイレ使用後には<EM菌をふりかけています。夏の高温季にはドラム内で泡立ちが確認でき、発酵分解がかなり早く進むのが見られます。発酵分解が促進されるようになってから、ハエ(通常の家バエ)の発生がなくなりました。ただ、コバエの対処方法が見つかりません。現在各種販売されている物では、期待した効果が得られません。コバエ対策は、これからも長い戦いになりそうです。1割程、小動物用床材を入れて保湿・吸臭・吸湿・通気性を図る取組みも行っていますが、使っても使わなくても、効果に大きな差は見られません。2013年11月27日 北海道新聞冬でも堆肥が作れる発酵素材<392>が開発されたと出ていました。氷点下10度以下でも、30〜50度の発酵熱を放出するとのこと。凍結季のコンポストトイレの使用期間が広がるかもしれません。EM菌と違い、ホームセンターで簡単に手に入りませんので、今後が楽しみです。
*ボルト取り付け穴の位置は同じでしたので、他メーカーの温水洗浄便座も取り付け可能でしょう。*ノズルの洗浄時を含め、洗浄水はバイオドラム内へ導く必要性があります。写真は、ステンレス板(不要になった煙突利用)から自作したものです。導水板とでも言いましょうか。*ボールライナーに付着した汚物は霧吹きの出水流をストレート状態で使用し流し落とします。
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はじめに
(Sun-Mar社のコンポストトイレと日本の温水洗浄便座の融合について)2005年に購入を申しこみ、初期の頃、電話で何度かトラブルの解決について相談指導を仰いだ者です。アウトドアライブを趣味の一つとする私にとって、制作中のセカンドハウスで使用するトイレを検討していた際、ネットで<Sun-Mar社>のトイレを知り、そのコンポストトイレの数あるセールスポイントの理解と賛同から購入をきめて現在に至っています。今日迄、メカニカルに関るトラブルの発生は無く、構造的には良く研究された<コンポストトイレ>と思います。特に、<バイオドラム>での発酵分解方式は、少人数での使用に適した簡易で便利なトイレと思います。私の場合は<コンポストシュアー>に関る問題解決に数年の時間が掛かりましたが、現在は維持管理に問題なく対処しています。アウトドア派の私にとっては理解できるコンポストトイレですが、日頃から水洗トイレや洗浄便座に慣れ親しんでいる日本人にとっては、抵抗感・拒否感を持つ人がいるのも事実かと思います。 そこで、「電気・水道」が使える状況下ではより快適に、そう出ない場合でもコンポストトイレ本来の使い方で、と考え、バイオドラム方式での洗浄便座使用の可能性について取組んできました。 (水洗トイレと洗浄便座は一体と思われているかも?)(メーカーにより、ウォシュレット・シャワートイレ・クリーンウォシュ などの名称がありますが、説明は 温水洗浄便座 で行います。)昨年中に問題点は解決していましたが、更に半年の時間をかけてトラブル発生の有無について点検した結果、同じような考えの人への情報提供(情報交換)が可能になりました。私自身は、建築・電気・水道等の特別な関係資格は持っていません。 ホームセンターで手に入れられる 工具・資材・部品 で作業出来ますので DIY に興味がある人は、日本人が開拓した洗浄便座で、バイオドラム方式のコンポストトイレ生活が、より快適にできると思います。 (トイレットペーパーの使用量は 激減 します)セールスポイントの一つ、「水を使わないので配管工事は不要」との文言や、輸入販売元としての、何らかの制限が有る事も理解出来ます。 勝手な情報提供(情報交換)は控えるべきと考えますので<庭仕事ひろば社>としてのご意見を賜りたくお便りしたしだいです。何かとお忙しい事とは思いますが、宜しくお願いいたします。